
バイオリン 象嵌装飾セミオーダー製作
本工房では、欧州材を用いて製作されたバイオリンを基材とし、象嵌装飾を含む仕上げ製作を承っております。
使用する楽器は、弦楽器製作に従事する製作チームにより組み上げられたもので、スプルースおよびメイプルはいずれも弦楽器用として選別された材が用いられています。
木材の乾燥状態、繊維の整い、アーチ形状を確認したうえで、工房にて最終工程を行います。
既製品への簡易加工ではなく、楽器の完成工程を含む作業として製作を行います。
図案は打ち合わせにより決定し、構造および振動特性を損なわない範囲で加工いたします。
■ 使用材について
表板には弦楽器用として選別された欧州スプルース、裏板および側板にはフレイムメイプルを使用しています。
いずれも響板材として十分な乾燥期間を経た材で、密度と弾性のバランスが取れたものが選定されています。
杢目の流れ、年輪幅、反応の均一性を確認し、仕上げ工程へ入ります。

象嵌装飾と響板構造について
インレイ(象嵌装飾)は、単に外観を飾るための表面装飾とは異なります。
表板・裏板といった響板に対して溝加工(切削)と材の嵌め込み(黒檀等)を行うため、木部の局所的な質量・剛性・厚みに影響する加工となります。弦楽器においてこれらは振動挙動に無関係ではないため、象嵌は装飾であると同時に、構造上の配慮を要する加工として扱われます。
ただし、象嵌を施すこと自体が音質の向上を直接的に生むものではありません。
図案の大きさ、線幅、配置、溝の深さ、象嵌材の体積、さらに元の板厚・アーチ形状・木目方向との関係により、楽器の反応に変化が生じる可能性はありますが、その影響は限定的であり、最終的な音の性格を決定する主因ではありません。
そのため本工房では、装飾として成立するだけでなく、響板の機能を妨げない範囲に収まるよう、位置・寸法・加工方法を設計段階で検討します。
象嵌による「唯一性」は外観のみによるものではありません。
同一モデルの白木であっても、内部状態の確認、必要な調整、下地処理、オイルニスの塗膜管理、乾燥硬化の進め方、そして駒・魂柱を含むセットアップによって最終的な音のキャラクターは決まります。
図案の内容によっては仕上げ工程や最終調整の方針が変わるため、結果として反応性の傾向に差が現れる場合がありますが、これは装飾そのものの効果ではなく、製作および調整工程全体の設計によるものです。
本サービスは事前相談を前提としています。
ご希望の図案を伺ったうえで、製作可能性および構造上の妥当性を確認し、「装飾として成立すること」と「弦楽器として機能すること」を両立できる範囲で、一本ごとに仕様を決定いたします。

製作の流れ
本製作は装飾加工のみではなく、弦楽器として完成させるための工程を含みます。
下記は、ご相談から完成までのおおまかな作業の流れです。各工程は楽器の状態および図案内容に応じて調整しながら進めます。
■ 概要
■ 使用材について
■ 象嵌装飾と響板構造について
■ 製作工程
■ 納期について
■ 料金について
■ ご依頼方法
納期について
受注後に製作を開始します。
ニス塗装および乾燥工程を含むため、完成までには通常1ヶ月半〜2ヶ月程度を要します。
図案内容および作業状況により前後する場合があります。
料金について
Craftsman
価格の考え方
象嵌製作は図案の大きさではなく、線の本数、曲線の多さ、配置位置、加工精度により作業時間が大きく変わります。
そのため一律の料金設定は行っておりません。
一般的には、簡素な図案から複雑な図案まで段階的に価格が変動します。
正式な価格は図案確認後に個別見積りとしてご案内いたします。

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ご依頼方法
本製作は事前相談制となります。
すべてのご要望をそのまま再現できるものではありません。
お客様よりご希望のイメージを伺い、楽器構造および加工可能性を踏まえて、製作可能な図案へ調整いたします。
内容によっては製作をお受けできない場合もありますので、あらかじめご了承ください。
図案イメージや参考資料がある場合は、画像をご用意のうえお問い合わせください。
確認後、製作可否およびお見積りをご案内いたします。
お問い合わせはコンタクトページよりご連絡ください。
