バイオリン製作の探求 — 木と響きが紡ぐ職人の物語
- Mario Cesar Y.

- 2025年3月20日
- 読了時間: 3分
更新日:2025年6月7日

バイオリン製作の魔法 - ブロックから生まれる響き
バイオリン製作の道は決して簡単なものではありません。毎日の学びの中で、手が覚えるまで何度も試行錯誤を繰り返し、少しずつ前進していきます。今日は、バイオリンの形作りの最初の大事な工程である「ブロックの取り付け」についてお話ししたいと思います。
初めてのブロック取り付け
バイオリンの骨格となる「型枠(モールド)」を前にして、私は深呼吸しました。この工程は、ただ木材を貼り付けるだけではなく、楽器の美しいフォルムを決定する重要な作業です。型枠に沿って配置されるのは、上部ブロック(ネックブロック)、下部ブロック(エンドブロック)、そして左右のコーナーブロック(Cブロック)。これらのブロックが、後に側板(横板、バイオリンでは「ヨコ板」)を支える土台となります。
ブロックの木材にはスプルース(松材)が使われます。軽くて丈夫、そして音響的にも優れたこの素材を選ぶことで、バイオリン全体の響きが決まるのです。素材を触るたびに、木の香りと温かみを感じ、「この一つ一つが音楽になるんだ」と思うと、胸が高鳴りました。
ブロックの配置と接着
型枠の準備 まず、型枠をしっかりと固定します。これがズレてしまうと、後の工程でバイオリンの形が崩れてしまうため、慎重に位置を確認しました。
ブロックの取り付け 上部ブロック、下部ブロック、コーナーブロックをそれぞれの位置に配置し、ニカワ(膠)で接着します。ニカワは乾燥すると強力な接着力を持ちますが、必要に応じて剥がすこともできるため、伝統的なバイオリン製作に欠かせません。初めてニカワを使ったとき、その独特な匂いと質感に驚きましたが、時間が経つにつれて「これこそが職人の世界なんだ」と実感しました。
ブロックの成形 接着したブロックを削り、バイオリンの美しい曲線に沿うように整えます。特にコーナーブロック(Cブロック)は、バイオリンのエレガントなくびれ(C-bout)を生み出す重要な部分。左右対称に削り出すのがとても難しく、最初は何度も失敗しました。「少し削りすぎた…」と後悔することもありましたが、その度に修正を重ねることで、職人の技術が身についていくのを感じました。
調整と確認 すべてのブロックが適切に整えられたら、側板(ヨコ板)を仮合わせしてフィット感をチェックします。この工程では、ミリ単位のズレが大きな影響を与えるため、慎重に確認しました。「よし、これなら大丈夫だ!」と納得できるまで、微調整を繰り返しました。
苦労の中にある喜び
この工程を終えたとき、初めて「バイオリンの形が見えてきた!」という実感が湧きました。もちろん、まだまだ先は長く、次は側板を曲げて取り付ける工程が待っています。しかし、こうして一歩一歩進んでいくことで、少しずつ「自分の手でバイオリンを作っているんだ」という喜びが芽生えてきました。
次回は、ブロックに側板(ヨコ板)を取り付ける工程についてお話しします。バイオリンがさらに形になっていく様子を、ぜひ楽しみにしていてください!




